いつものお酒の会
2001年5月18日
お出ししたお酒の画像

女泣かせ 純米大吟醸原酒  1999年
(静岡 大村屋酒造場)


女泣かせ 純米大吟醸原酒  1998年
(静岡 大村屋酒造場)


女泣かせ 純米大吟醸原酒  1997年
(静岡 大村屋酒造場)


信濃錦 秘花 純米大吟醸生 1996年
(長野 合資会社 宮島酒店)

今回は熟成の違いがテーマです。
女泣かせは一年に秋口にわずかしか出荷されない貴重なお酒です。南部杜氏が造りをあずかっています。私は特別に思い入れがある蔵元さんでもあります。というのは,地酒に力を入れ出して初めて訪問した蔵元さんだからです。杜氏さんと社長さんが説明してくださり,鑑評会に出品する大吟醸の候補を利き酒させてくれたのです。素人のような若造にこんなにいい酒を出してくださるなんて!帰りがけに大旦那さん直筆の鬼の墨絵をいただきました。今でも当店内に大事に掲げています。
’99はスリムな線を持った繊細な味わいの中に熟成による円やかさが味わえました。天麩羅や卯の花和えなんかと良さそう。
’98はコク,渋味,旨味がしっかりしており,’99よりも若い印象。鴨や味噌漬けの魚あたりといきたい。
’97は皆が大絶賛!あらゆる味わいの要素がすべて均等に配置されていて文句無し。素晴らしいバランスの酒です。皆さん,静かになってしまいました。常連Tさんは「また,買わなきゃいけない酒が出てきたよ〜,冷蔵庫一杯なんだよね!」と嘆いています。ここのところ主張の強い原酒が多かったので,しばらくぶりに癒し系の原酒でホッとしました。
’96信濃錦。この蔵元は全量長野産美山錦で仕込む蔵元です。新酒鑑評会にも美山錦の大吟醸を出品します。うる覚えですが,この年はこれと同じ企画の美山錦の大吟が金賞を獲得しました。これは快挙ですね。この酒もうまいです。やや熟成感を感じさせる香り。蜜のようなニュアンスがありますが,口に含むとエレガントな酸味がとても心地よいです。まろやかな旨味も絶妙。食事に合わせるよりも食後酒としてじっくりと飲みたい銘酒でした。これはマイコレクションで,売り物はありませんので,悪しからず。
信濃錦さんは私のお気に入りです。美山錦の特徴を遺憾なく発揮させたその酒はメリハリがしっかりありながら,主張が強すぎるということもなく,食べ物とも寄り添ってくれる酒です。

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